「ROD」や「金魚屋」、「ひまわりさん」など、本や書店にかかわる作品はなんとなく見つけると手に取ってしまう。
そんなノリで読み始めたビブリア古書堂も気が付けば第6巻。早いもので。
五浦と栞子には因縁となる、太宰治の晩年を巡る物語が再び。
これまでいろいろな古書にかかわる事件を解決してきたけれど、この古書がからむとやっぱり一味違う感じ。直接的な危険があることも合わせて。

ある意味宿敵となった田中も再登場。欲しいもののために手段を選ばない異常者という印象のあるキャラクターで、実際「晩年」に対する時の様子は鬼気迫るものがあるものの、どうしても憎めない人物。五浦と田中のやりとりはこの作品でも好きなシーンの1つ。

終盤の憎まれ口をたたきながらも認め合っているような雰囲気は、長年のライバルが手を組んだ王道漫画を思わせる熱いものを感じる。

「君の説得はとても狡いね。君にとって大事なのは篠川栞子だ。彼女を守るためなら、ぼくにどんな嘘でもつくはずだ。」
「でも、それはぼくも大して変わらない……手に入れたいもののためならなんでもやる。確かに親戚同士だよ。ぼくたちは。」

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