少し前に読んだ1巻が面白かったので、千葉の三省堂で続刊を購入。相変わらず読んでいると腹が減る一冊。
異世界の人たちのお話もありながら、今回は「タイショー」の悩みにもスポットが当たっている。
元は一流料亭の料理人。異世界の料理の物珍しさだけで人が集まっているわけではなく、経験に裏打ちされた腕を振るった料理が人を集めているというのがわかる。
それでも、自分の料理に悩み、いつもと違ったジャンルや味付けに挑戦したり、方向がぶれてるのをお客に指摘されたり、1巻では完璧に見えた「タイショー」の弱い部分が見えたのも興味深い。

しかしこの作品。映画館の待合室で読むものじゃ無いな。終わった後手近な居酒屋で「タコの唐揚げ」を注文してしまった・・・。
読書?という感じだが、一応短い小説があるのでメモ。
昨日仕事の移動途中に秋葉原のラムタラで購入。一般書店にはあんまり売ってないんですよね。

表紙は「エロマンガ先生」だけど、素材の関係か前作「俺の妹」のイラストが多め。
Blu-ray集めるくらいには好きな作品なので嬉しい。商業誌未発表のイラストもかなり多くて、新鮮な気分で眺める。かんざきひろさんのコメントがついてるのも見ていて楽しい。

巻末の小説は「エロマンガ先生」の日常もの。動かずに食べてれば太るよね~と思いつつ、元が元なので多少食べた方がとも思う。

「俺の妹」のアニメ某シーンを見てると思われるコメントはなんとも思うところが。
血縁があるがゆえに苦悩する兄妹と、本当の兄妹にあこがれる義兄妹。
どちらが幸せなのか、立場が逆だったらどうだったのか、いろいろと考える。

どちらの兄妹も良いキャラしているので、どこかで邂逅する話とか出てこないかと期待。
新船橋ぶらついてる途中に読了したので、もう1冊。

昨年、綾瀬のブックオフで購入した「明日も彼女は恋をする」。上巻「昨日は彼女も恋してた」から続く下巻。

学生時代、ふと手に取った高畑京一郎の「タイムリープ」が本好きのきっかけの1つになったこともあって、時間ものは個人的に好みのジャンル。この作品もそんな時間もの。

舞台は、みんなが顔見知りで、何かすればすぐに伝わるような、田舎的な閉塞感がありつつも、どこか懐かしい、そんな島。
上巻「昨日は彼女も恋してた」での時間旅行で改変してしまった過去を元に戻すために再び時間旅行へ。作中でもタイトルが出てくるとおり「バック・トゥ・ザ・フューチャー」part2な感じ。

時間移動は、今や王道的なテーマの1つで、結構気軽に過去をいじくったりしているものも多いけれど、あったはずのものが無くなってたり、生きてたはずの人が死んだことになったり、実は結構怖いものだと感じる。
当たり前のように一緒にいたはずの人がいなくなって、周りの認識も「そんな人いないよ?」ってなるのは、実際かなり怖い。

で、誰か1人がそれをできるということは、他の誰かにもできる可能性があるわけで、「当たり前」が実は改変されてたりすることもある。
そういうことを考えて読んでいくと、最後の「僕の物語がここで終わりますように」というセリフがなんとも深いものに感じてしまう。

「彼」と「彼女」がそれぞれ、大切な人のために奔走し、そうして最終的にたどり着いた結果は、みんなが幸せになれたわけではない。

高畑京一郎の「クリス・クロス」の読了感に似た、1つの目的を果たしたものの、言い知れない不安を感じる、そんな読了感。
「孤独のグルメ」「ワカコ酒」「ダンジョン飯」と、食事に絡む物語が楽しい今日この頃。(最後のは何か違う気がするが)
今日の読書は、イオンモール船橋の未来屋書店で購入の「異世界居酒屋「のぶ」」。

何でかはわからないが、中世ヨーロッパ的な異世界につながった居酒屋「のぶ」を訪れる、客との触れ合いを描く小説。
普通の居酒屋で出てくる料理も、異世界の人にとっては驚きの連続のようで、冷たいビールに驚く兵士、賄いのナポリタンに執心な徴税請負人、あんかけ湯豆腐に感動するお嬢様などその反応がなんとも楽しい。
国の様子を探りにきたスパイが、ポテトサラダに気軽に胡椒をかけてるのを見て、「この国はやばい」と逃げ帰っていく様など、思わずにやける。(逃げ帰った原因はそれ以外の料理にもあるので、ポテトサラダだけに驚いたわけではないけれども、そりゃ金ほど価値のあるもん気軽にかけられたら腰抜かすでしょう・・・)

背筋に冷たいものが走るのをジャンは感じた。
古都に関わるべきではない。こんな場末の酒場でさえこれなのだ。
※「密偵とサラダ」より引用。

作中では、ちょっとした(当事者にとっては結構深刻な)事件が起きるものの、その結末も痛快。特に事件解決のために頑張ってくれた人の理由が、この店の料理のためというのもこの作品らしくてほっこり。

そしてこの作品。何より料理の描写がすごい。とにかく読んでいると腹が減って仕様がないほど。
中でも繰り返し出てくるエール(ビール)の印象はすごくて、酒飲みなら「トリアエズナマ!」と言いたくなるくらいにビールの味が恋しくなる。

普段小説は少しづつ読み進めるタイプなのだが、気が付いたら一気に読んでしまった。
なんだか、好物を夢中で食べてしまった時のようなもっと欲しいという読了感。
2巻もあるようなので、いずれ続きを読んでみたい。
さて、今宵の晩酌はよく冷えたビールといこう。

甘い?
いや、ただ甘いわけではない。
赤茄子の持つ甘みと酸味が上手く麺に絡まっている。
茹で加減も、よい。
茹で上がった段階でほんの僅かに中に芯が残るか残らないかの、茹で加減。皿に盛り付け、口に運ぶ瞬間に最もよい食感になるように計算されたものだ。
※「しのぶちゃんの特製ナポリタン」より引用。


ぐびり。
ぐびり。
ぐびり。ごくり。ごくり。ごくごくごくごく。
一気に飲み干してしまい、ハンスはジョッキを見つめる。
なんだ、これは。
美味いとか、美味くないとか、そんなもんじゃない。喉越し、キレ、全てが今まで飲んでいたエールと段違いだ。
※「おでんのじゃがいも」より引用。
ひとりでぶらりとどこかへ出かけたとき、行った先の本屋で1冊だけ何か本を買うのが癖になっている。
今回は守谷へ行った帰りに取手の「宮脇書店」さんで買った「竜の学校は山の上 九井諒子作品集」。


魔王を倒した勇者のその後の話や、ヒロインが一国の王女だった美女と野獣、現代社会に人間の他にケンタウロスが共存している話、などなど、全体的にファンタジーっぽい用語のある話ながら、ちょっと一ひねりのある短編を9話収録。
表題作の「竜の学校は山の上」は、同作者の「ダンジョン飯」の雰囲気があって面白い。
(ちなみに題名だけ見て、竜族の通う学校かと思っていたら、全然そんなことはありませんでした)

詳細は伏せるけども、ほとんどの話はスッキリとは終わらない。なんとももやっとする読了感。でもそれがなんだか癖になって、適当に開いたページからまた読みたくなる。そんな一冊。


旅の余韻を感じながら読むのに良いチョイスだった。

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